「大学4年間の経営学が10時間でざっと学べる」を読みました

タイトルの通り。

大学4年間の経営学が10時間でざっと学べる | 高橋 伸夫 |本 | 通販 | Amazon

この本を読んだきっかけ

きっかけは、DX Quest2023に参加していて自分のマーケティングについての知識が不足していたのを感じたからです。 DX Questというのは、経済産業省が行っているAI教育プログラムの一つ。基本的に時間を合わせて講座を受ける形式ではなく、教材が配られてDX Questの参加者同士であーだこーだSlack上で話したり、運営/参加者が企画するZoom感想会などに参加して進める形式の教育プログラムです。

それで、この教育プログラムの最終的な提出物は顧客へ説明できるようなプレゼン資料です。このプレゼン資料の完成を目指して、5つくらいの段階(企業情報から課題分析→優先度決め→...など)に分けてだいたい1週間ペースで課題が出されます。コンサルタント体験教材のようなイメージです。ついこの間の8/26に最初の課題が終了したのですが、反省がとにかく多かったため、とりあえずマーケティング学ぶ1歩目としてこの本を読みました。

新しく学んだこと

マーケティングはSTPで考えるべき

STPのSはセグメンテーション、Tはターゲッティング、Pはポジショニング、です。市場を属性で分け、1セグメント or 複数セグメントに絞り、商品の位置付けを考える方法だそうです。

原付通勤バイク(PCXとか)を例に取ると、

S:

  • 性別:男性、女性。
  • 職業:在宅勤務可(IT、インターネット/広告/メディア)、非在宅勤務(金融、メーカー、建設/プラント/不動産、総合商社、専門商社、メディカル、サービス、小売/外食)、学生
  • 婚姻:未婚、婚約済み
  • 所得:低(~300)、中(300~800)、高(800~)

T:

  • 性別:男性、女性。
  • 職業:非在宅勤務(金融、メーカー、建設/プラント/不動産、総合商社、専門商社、メディカル、サービス、小売/外食)、学生
  • 婚姻:未婚
  • 所得:低(~300)、中(300~800)

P:

  • 通勤・通学に使う125ccのATバイク。燃費が優れていてコストパフォーマンスが高いことが魅力。 のような感じでしょうか?

4Pのマーケティングツール

Product, Price, Promotion, Placeの頭文字をとった4Pでターゲット市場を攻略するそうです。「どんなモノをいくらでどの店舗(販売経路)で販売し、宣伝するのか」を決めます。

STPの時の通勤バイクの例を引き続き4Pでも考えると、Product,Priceは「"通勤AT 125ccバイク"を"20万円"」が理想ですね笑。 Promotion, Placeは「"インターネット販売のみ"で販売し、"バイク系YouTuber, 交通インフラ(電車、新幹線)内広告"で宣伝する」でしょうか。コスト削減したいので。 余った部品やコストが安い部品を使って製造する、という観点はPriceの中の話になってくるんでしょうかね。

で、4Pの中でもPlace(流通)は段階数があります。登場人物は「製造業者」→「卸売業者」→「仲介人」→「小売業者」→「顧客」。正直私は社会経験が薄いので「製造業者」「顧客」だけいれば良いのでは?と思ってしまいます。ですがよく考えるとAmazonやスーパーは普段からとてもお世話になっていますし、「小売業者」は必要ですね。

「卸売業者」はたくさんの「小売業者」に商品を流通させます。なので「卸売業者」も最寄品なら必要そうです。この「卸売業者」は「製造業者」自身が担当したり販社を用意する場合があり、その場合は流通コストの削減につながるそうです。スーパーのPBブランド(TOPVALU, みなさまのお墨付き など)はまさに流通コスト削減のたまものですね!  ※PBブランドの中でも「自社で製造工場を持っている」「メーカーに依頼する」「メーカーと販売店との共同開発」などがあるそうです。

生産システムの改善

「在庫をたくさん持つほど生産性が向上する」のではなく、「生産システムが優れているから生産量が増加している」のだそうです。中でも有名なものがトヨタ生産方式のメインとなる「JIT(ジャスト・イン・タイム) 」(必要なものを、必要な時に、必要な数だけ造る/運搬する)の一部である「かんばん方式」です。

所感

経営学、意外と机上の空論かも?

経営学者ファヨールが「命令形統一元化の原則」を唱えた時代がありました。この原則は「原則上司はただ1人のみであるべき」という主張で、当時のアメリカの経営学の教科書で広く取り上げられていました。日本の会社は上司が複数人いることが多く、「遅れている」と批判されていたそうです。しかし、NASAがこの原則に背いたPJ推進に成功して、逆に日本が褒められることになりました。 組織構成に絶対の正解はなくて、ベストな構成は組織参加者ごとに変わったり、他の要素(心理的安全性、シンプルに手を動かすのが速いなど)の方が重要そうに感じました。

実際の企業名を出して説明してほしかった

説明する範囲が広いので薄く浅く説明してある印象を受けました。大学4年間の内容なので仕方はないかもしれないのですが、実際の企業名や歴史を踏まえながら濃い説明を見たいと思いました。フォードやIBMの例は確かにあったのですが、いかんせん社会人経験が薄いのと抽象的に理解できない頭で・・・ マーケティングについては今後も別の本を読んでみたいです。