Windows Serverをセットアップする機会があり、自分用備忘録としてライセンスなどについてメモ。
ライセンス・エディションについて
Windows Serverのライセンス
Windows Serverのライセンスは、Windows Serverを起動し利用するための「サーバライセンス」と、サーバへの接続クライアント数を増やす「CAL(クライアントアクセスライセンス)」の2種類がある。このページではサーバライセンスのみ説明する。
エディションについて
Windows Server は以下2つのEditionが販売されている。
- Standard Edition: 必要なライセンス数分購入
- Datacenter Edition: 無制限ライセンス(同じ物理サーバ上に何台仮想サーバ立ててもOK)
費用は(概算だが)10台以上の仮想サーバを立てる場合、Datacenter Editionの方が安い。 仮想サーバの数が不明の場合はDatacenter Editionの方が安心。
Standard Edition のライセンス数を算出するには
必要なライセンス数は物理サーバに搭載されるCPU数・コア数および仮想サーバの数により異なる。
- 物理サーバ1台につき、16コア分のライセンスは必ず購入
- 物理サーバのCPUコア数が16コア以上の場合、追加でライセンスを購入
- 1CPUにつき、8コア分のライセンスは必ず購入
- 物理サーバ1台分のライセンス数で仮想サーバ2台まで稼働させることができる
ちょっと分かりづらいので、具体的な例で説明する。 例えば下記のように物理サーバのCPUが2コアだろうと16コアだろうと、必ず16コアライセンスの購入が必要だ。
Microsoft様の意図を察するに、 物理サーバ1台に必要なライセンスはCPUのコア数とCPU数による。これはNECのサイトがわかりやすい。 jpn.nec.com
次に、仮想サーバを1つの物理サーバ上に2台以上建てたい場合を考える。 下記のように仮想サーバを6台建てる場合は、物理サーバ1台分の16コアライセンス*3=48コアライセンスが必要になる。
また、ハイパーバイザ上で冗長化構成(VMwareのvSphere HA、Hyper-Vのフェイルオーバークラスタなど)を組んでいる場合や、仮想サーバの移動(VMware vMotion, ライブマイグレーションなど)が発生する場合、それぞれの物理サーバで仮想サーバが最大の数動いていると仮定してライセンスの購入が必要となる。
上記の場合は、各物理サーバA,Bそれぞれに仮想サーバ12台分のコアライセンスが必要となるため、Datacenter Editionの方がお得になる。
Service Packとは(Windows Server 2016より前の概念)
Windows Serverへの修正パッチ・拡張機能をまとめたもの。 なお、Windows Server 2016〜2022のサービスパックは存在しない。
クライアントPC(Windows **)のサービスパックは存在する。Windows10には、2024年3月31日現在で"バージョン 22H2",Windows 11には"バージョン 22H2", "バージョン23H2"が存在している。 参考ページ www.obcnet.jp
COAラベルとは
OEMな物理サーバの上部などに貼られている、Windows Serverのプロダクトキーが記載されたキラキラシール。 唯一のライセンスの証明物。スクラッチシールをコインや爪で削るとプロダクトキーが見える。このプロダクトキーはOS上で確認がほとんどできない(※1)ため、 ラックマウントサーバの場合、基本的にはラッキング前に写真でプロダクトキーを撮影しておく。(でないと後から確認したい時にラックからサーバを外すリードタイムが発生してしまう)
※1: wmic path softwarelicensingservice get OA3xOriginalProductKey
はWindows クライアントのプロダクトキーのみ確認ができる。slmgr /dli
はプロダクトキーの上5桁のみ確認ができる。したがって"ほとんどできない"と表現した。
ライセンスキーの種類
購入経路によってライセンスキーが異なる。とはいえエンタープライズのオンプレミスなWindows Serverで購入する場合、ほとんどはOEM版になるのではなかろうか?詳しく説明されているブログのリンクを貼る。
その他遭遇したトラブルと対処法
サーバ起動後、たまにネットワークプロファイル(ドメイン/プライベート/パブリック)が正しく設定されない
対処法:ネットワークプロファイルの設定内容を統一するか、NLA (Network Location Awareness) サービスを “自動 (遅延開始)”に変更する。(なおNLAサービスをこの設定に変更しても、同一の症状が発生するため根本解決は不可能な模様。)
パフォーマンスモニタの一部の値が取得できない
対処法:下記リンクの手順にしたがって再構成